管理職の悩み、トップ3は、
・業績を上げる
・部下を育てる
・部下のモチベーションを上げる
だとか。今日は、この3つを同時に解決する秘訣をお伝えしたいと思います。
管理職が抱える悩みとは
「名選手、名監督ならず」
これ、ビジネスにも大変当てはまります。ビジネスは個人競技ではなく団体戦。目標は、チームで最高の成果を上げる事です。スポーツの団体競技ではエースがどんなに点数をとってもチーム全員が力を発揮しないと試合には勝てません。
ビジネスでもリーダーが張り切るだけではチームパフォーマンスは最大化しません。
・業績を上げる
・部下を育てる
・部下のモチベーションを上げる
これを一人で悩むのはチームプレーヤーとしてナンセンス。悩みを打ち明け、メンバーを頼れば良いのです。まずは正直に自分の悩みを打ち明ける。そして弱みをさらけ出す。
弱みを見せて大丈夫なのか?
大丈夫です。リーダーが正直に自分の弱みをさらけ出したとき、部下は、リーダーの足りない部分を補うという存在意義を見いだします。
逆に言えば、完璧すぎるリーダーは、部下が「このチームで私は単なる駒に」と感じてしまい、やる気が失われるのです。
実は私、公認会計士なのに数字が苦手で、Excelがうまく使えません。会社を創業して上場させたりホテルを再生したりしてきましたが、一度も事業計画や予算を作ったことがありません。メンバーの数字が得意な人に全てお任せです。自分が苦手なことを進んでやってくれる人にただただ感謝。
ズボラでミスが多く、事務処理能力が極端に低いので創業以来、会社の実印も銀行印も見たことがありません。複雑な課題を分解して整理したり、業務処理のオペレーションを構築したりするのも大の苦手。
それもまた得意な人にお任せしてただただ感謝。苦手な業務からはエネルギーが奪われます。私は予算を作りはじめたら元気がなくなります。でも、予算を作るのが大好きな人がいます。リーダーはメンバーの強みと弱みをよく理解して、適材適所を実行すれば良いのです。
私が得意なのはビジョン&戦略の構築ですが、リーダーがビジョン&戦略を示さなければいけないわけでもありません。それさえも相対的に得意なメンバーに任せれば良いのです。
適材適所で各人が使命感を感じれば、メンバーのエネルギーが最大化して、チームパフォーマンスが最大化します。
「士は己を知るもののために死す」という中国の古典に出てくる金言は現代でも有効です。リーダーが適材適所を実現すれば、メンバーは張り切って働きます。リーダーに必要なのは、「部下を頼ってただただ感謝する」、それだけなんです。
「部下を頼ってただただ感謝する」には、3つの利点があります。
まず一つ目、自分よりも優秀な部下をマネージできます。
私も公認会計士時代、リーダーとして完璧でなければならないと思い込んでいました。部下に「舐められまい」と一生懸命勉強しました。でも、このスタンスだと、自分より優秀な部下が現れると途端にチーム運営が難しくなるのです。背伸びして知ったかぶりをして取り繕っていても内心はハラハラです。休みの日もスッキリしません。
悩んだすえにたどり着いた結論が、「部下を頼ってただただ感謝する」です。一人で悩む必要もなければ、優秀な部下と競う必要もありません。リーダーがやるべき事は、チームパフォーマンスの最大化。そのためには一人ひとりをよく理解して適材適所を進めるだけです。そこに気づいた途端に気持ちが楽になりスッキリしました。
「部下を頼ってただただ感謝する。」の2つ目の利点は、自分の専門外の分野でもリーダーができる事です。
私は100年の伝統のある老舗ホテル、でも直近20年間は赤字という瀕死状態の会社を1年で大復活させた経験があります。その時、34歳。エスプールを創業して3年目で経営の経験も浅く、ホテル業は全くの門外漢。でも成功しました。「部下を頼ってただただ感謝する」というスタンスを持っていたからです。
新しいチームで常に最初に行うのは、自己開示。自分の好きな事、やりたい事、強みと弱みのさらけ出しです。もちろん、全メンバーにも自己開示してもらいます。人間、知れば知るほど好きになります。家族や親友は、生い立ちからよく知っているから好きなんです。
好きになれば、仲間のためにがんばれます。チームのメンバー相互がそれぞれの強みと弱みを理解して協力し助け合ったときに成果は最大化されます。そのためにはまずは、リーダーが率先して正直に自己開示。
「部下を頼ってただただ感謝する」の3つ目の利点。それは、気楽だという事です。
悩みを一人で抱え込んだら辛いです。仲間を頼って悩みを共有してもらえば心強いです。
もちろんリーダーですから結果の責任は取る必要がありますが、だからといって悩みを一人で抱え込んではいけません。
責任感を持って悩みを一人で抱え込めばこむほど、結果が出ないというパラドックスに陥ります。部下を頼って気楽になればリスクが取れます。リスクを取れば大きな成果が生まれます。
素直で正直な等身大のリーダーとなって気楽に成功しましょう!
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株式会社ワークハピネスは人材育成研修・組織開発コンサルティングを通して
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公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。
現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。