No Office革命

社員の自律性を高めるには?コロナ時代を生き抜く組織の礎

ビジネスをとりまく環境の変化に伴い、働き方も多様化しています。働き方が自由になればなるほど個々の自律性が重要になるのはいうまでもありません。特に新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が増えている昨今、いかに自律性を高めるかが重要視されています。この記事では自律性とはなにかという基本的なことをはじめ、自律性を育てる方法や人材育成の注意点などを紹介します。ぜひ参考にしてください。

そもそも自律性とは?

自律とは文字どおり「自らを律する」ことです。具体的には「自らで考えたルールに従い目標に向かって行動すること」を意味します。例えば、自分で立てたスケジュールどおりに夏休みの宿題を進める、納期に間に合うように余裕をもって課題を進めるなどは自律的な行動といえるでしょう。

自律には、ルールを決めるための価値観や信念が必要です。また、失敗したとしても周囲のせいにせず「自分が選択した結果」と考える芯の強さが求められます。さらに、どうすれば目標を達成できるのかを考えて、次のアクションをおこす判断力や決断力があれば理想的です。

企業や団体などの組織では、こうした特性を持つ人を「自律型人材」と呼び、いかに育成・確保するかに注目が集まっています。

『自律』と『自立』はどう違う?

どちらも読み方は同じ「じりつ」ですが『自律』と『自立』では意味合いは異なります。

自律とは、前述のとおり自らを律した行動がとれることを指します。もうひとつの自立は、外部からのサポートを受けずに存在する様子を指します。親元を離れてひとり暮らしをする「経済的自立」や、ハンディキャップを持つ人が自らの脚で立つ「身体的自立」などを考えるとわかりやすいかもしれません。こうして考えると、自立は外から見てもわかりやすい状態であるのに対し、自律は内面の成熟度を表す言葉といえるでしょう。

ちなみに自律の反対語は「他律」、自立の反対語は「依存」です。他律とは意思に反して外部からの命令や強制に従うこと、依存とは他に頼っている状態をいいます。

なぜ自律性は必要なの?

「春風(しゅんぷう)をもって人に接し、秋霜(しゅうそう)をもって自ら粛(つつし)む」という格言があります。これは、幕末の儒学者・佐藤一斎が『言志後録』に記したとされ「人に対しては春風のように優しく爽やかに接し、自分自身に対しては秋の霜のように厳しく行動をただすこと」を説いています。このように、自律の大切さは古くから説かれてきました。

では、なぜ今になって自律性が求められているのでしょうか。それにはビジネス環境の大きな変化が関係しています。

少子高齢化による労働力の不足を補うため、さらに長時間労働や雇用形態による格差を改善するために、2019年4月に『働き方改革関連法』が施行されました。この施策には『多様で柔軟な働き方の実現』が目標の1つに盛り込まれています。1年後の2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発令され、1カ月を超える外出自粛が要請されたのはご存じのとおりです。これにより、社員が出社できない間にも事業を継続するためにテレワークを導入する企業が増えました。

テレワークによる在宅勤務には、通勤時間をプライベートの時間に充てられるというメリットがあります。仕事によっては時間に縛られずにマイペースで進められるものもあるでしょう。一方で、周りの目が少ないことでつい自分に甘くなり、仕事で100%の力を出せない人も出てきます。また、普段から上司や同僚に頼るくせがあると生産性が下がるおそれがあります。現代は、自律性が特に求められる時代といえるでしょう。

自律型人材に必要な要素とは?

組織における自律型人材とはどのような要素を持つ人を指すのでしょうか。また、組織にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、自律型人材にみられる特徴と組織・集団への影響について解説します。

自発性

自律型人材は、自分自身で適切な目標設定やとっさの判断ができます。つまり、自発的に動くことができるとも換言できます。社員がみな指示されたことしかできないようでは、業務はなかなか進みません。組織が目指す方向性を理解し、それぞれが与えられた仕事に対して自発的に取り組む姿勢が大切です。

自律型人材が増えると、上司は細かく指示をする必要がなくなります。その時間をマネジメントに費やすことができるため、上司の負担も少なくなりますし、業務の質や生産性の向上が期待できます。

責任感

自律型人材は「自分で選択した」という意識で行動するため、責任感をもって物事に取り組みます。特に粘り強さが求められるプロジェクトには欠かせない人材といえるでしょう。目標達成に向けての強い責任感があるため、なにかトラブルが発生した場合にも解決に向けて積極的に行動します。判断力や決断力にも優れているため、目標を達成するまでの方向性がぶれることもありません。また、責任感があることで継続してモチベーションを維持できるのも自律型人材の特徴の1つです。

巻き込み力

いかに優秀な人でも、一人の力には限界があります。目標達成に向けて課題に取り組むときやなにか問題が発生したときなど、なるべく多くの人を巻き込んで協力しあえば、物事がスムーズに進むでしょう。

決断力のある自律型人材は、なにか問題が発生したときに「早く解決するにはどうすべきか」を最優先に考えます。問題を解決するためなら、ライバルに頭を下げることも厭いません。部課の垣根を越えて多くの人に応援を頼み、早期の問題解決を図ります。

オリジナリティ

周囲のさまざまな意見に耳を傾けつつもその場の雰囲気に流されることなく、自分なりの意見が発信できるのも自律型人材の特徴です。過去の実績になぞったり他者の成功例を単に真似たりするのではなく、時代のニーズに自分らしさを加えたオリジナリティの高いアイデアを創出することができます。

新規市場への参入や新しいビジネスモデルにチャレンジする際には、特に必要な人材といえるでしょう。

社員の自律性を高めるためには?

テレワークでは社員の働きぶりを間近に見ることができません。そのため自発的にコミュニケーションをとり、的確に業務を進める自律性が強く求められます。

自律型人材の存在は組織に大きなメリットをもたらします。どうしたら社員の自律性を高められるかと思案している経営者や管理職は多いことでしょう。ここでは部下の自律性を高めるために上司ができる行動を紹介します。

部下の『承認欲求』を満たす

人前で自発的に行動を起こしたり発言したりするのは勇気がいります。周囲の反応を気にしすぎてしまったり、その反応によっては落ち込んでしまったりすることもあるでしょう。発達心理学でいう『こころの安全基地』が発達していない人は自分が傷つくことを恐れて積極的な行動ができません。

『こころの安全基地』とは、こころの拠りどころとなる人やモノのことを指します。幼い子どもが母親の存在に安心して遊ぶように、大人にも『こころの安全基地』が必要です。それはスキルや経験から培われた自信であったり、価値観や信念であったりします。仕事を進めるうえで指示を待つだけの人や自発的に動けない人は『こころの安全基地』が確立していないと考えられます。

『こころの安全基地』の確立は、そのまま自律へとつながります。『こころの安全基地』の確立を促すには、まず『承認欲求』を満たすことを心掛けてください。承認欲求は、心理学者マズローが提唱した『欲求5段階説』の4段階目に位置する人間の心理的欲求です。他者からの尊重や注目などで欲求が満たされると『こころの安全基地』が確立し、今度は安全基地以外でも自発的な行動ができるようになることでしょう。

理念や行動方針の共有

自発的に行動できる人材でも目標がわからなければ動きようがありません。まずは組織のビジョンや理念を明確にし、共有することが大切です。ただし、上から一方的に伝えるだけでは社員の自律性は高まりません。どこへ向かっているのか、何を目指しているのかなどを具体的にし、社員の共感を得る必要があります。

ここで重要な役割を果たすのが管理職です。管理職は経営層の意思を正確に把握し、わかりやすい言葉で部下に伝達しなくてはなりません。ビジョンや理念に対する疑問や不信感などを持つ部下がいれば、より丁寧に説明する必要があるでしょう。組織の価値観と社員の価値観が近づけば、目標に向かって自発的に行動できる自律型人材が増えると期待できます。

管理しすぎない

自律性を高めるには自分で考えて決断し、行動する経験を積み重ねることが大切です。自律型人材の育成を考える際は、業務遂行に必要な情報とある程度の権限を与えるようにしましょう。自らの判断で行動するといった経験の少ない社員は決断力や判断力が乏しく、思ったように業務が進まないことがほとんどです。ただし、上司が指示を出してはいけません。せっかく自律性を育てようとしているのに、また指示を待つだけの状態になってしまうためです。

自律型人材を育成する目的で部下に業務を任せるときは「スムーズに進まないのが当たり前」と考えて見守るようにしましょう。ただし、丸投げはNGです。指示ではなくて情報を与える、定期的に進捗のヒアリングを行うなどして気にかけていることを伝えてください。

社員の自律性で組織は変わる

自分を律し、目的に向かって自発的に行動できる自律型人材は組織にとってなくてはならない存在です。テレワークが普及しつつある現在、こうした自律型人材の育成や確保を急務とする経営者も多いのではないでしょうか。

これまでとは違ったアプローチが必要とされるテレワーク時代には、オンライン業務に適した人材の育成や組織づくりが必要です。特に現在の社会においては、状況が目まぐるしく変わるため、組織内の状況だけではなく、組織外の動向にも目を向ける必要があります。

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この記事を書いた人この記事を書いた人

嶺田賢

大学卒業後、上場派遣会社に入社し、その後、教育系子会社のエスプール総合研究所(現:ワークハピネス)へ。
各種サーベイなどの設計・開発、人事制度構築、理念浸透などのコンサルティングを経て、教育周りの企画提案を主な業務とする法人営業を担当。
関西地域で大手上場企業の新規開拓をメインに携わり、お客様の理念体系、今後の戦略に沿った、「人の育成」「仕組みの整備」を体系的に提案することを得意としている。

2019年からマーケティングチームの立ち上げに責任者として関与。デジタルの力を活用して、会社の売れる仕組みづくりを構築している。

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