コンタクトレンズメーカー、シード様で実施した若手社員研修(3年目)の導入事例です。バリューチェーン(価値連鎖)や成人発達理論を活用し、自己理解を深めることで主体性を高め、自分たちの事業活動が全体の価値創造にどのように貢献しているかを理解する研修を実施しました。今回は企画者にインタビューをさせていただきました。
- 課題
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- 所属組織での役割意識がまだ薄い状態にある
- 主体的に動き、周囲に働きかけ、巻き込む力が足りていない
- 実施策
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- 成人発達理論を用いて、自身の現状とこれからの成長のステップを明確にした
- 「バリューチェーン バードビュー」研修を実施し、各役割が貢献していることをディスカッションした
- 効果
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- 成人発達理論を学ぶことで、自分と他者の行動を客観的な視点で理解することができるようになった
- 組織内で各役割が生み出している価値と価値創造の連鎖(バリューチェーン)を理解し、全体を俯瞰できるようになった
インタビューご協力
【企画者】
株式会社シード
人事教育部 教育研修室 石井様
※所属は2024年7月時点の情報です。
役割意識を持って周囲を巻き込めるようになってほしい
Q:今回の研修について、対象者や目的を教えて下さい
新卒で入社して3年目の専門卒以上の社員を対象に若手社員研修として実施しました。今後、シードで活躍していくために、自社や所属組織での役割意識を明確にするとともに、主体的に周囲に働きかけ、巻き込む力を身に付けることを研修の目的として設定しました。
Q:若手社員研修(3年目)ではどのようなことを期待されていましたか?
今回の研修を通して、目の前にある業務だけではなく、会社の目指す姿や業務のプロセスを理解することで、自身の視野を広げ、自分の役割を再認識するとともに、周りを巻き込んで主体的にアクションプランにまで落とし込めている状態を期待していました。
副次的には、対面での集合研修形式を取ることで、同期とのつながりを強化することも目的としていました。
Q:なぜ、ビジネスシミュレーションゲーム研修「バリューチェーン バードビュー」に決めたのですか?
研修の提案と同時に体験会のご案内もいただき、プログラムの詳細を知る前に、まずは「バリューチェーン バードビュー」体験会に参加させていただきました。体験会に参加した際、ゲーム体験前の率直な印象は、ゲームの世界観や使用する道具が、お道具箱に入っているようなものだと思ったので、27歳の社会人が参加する研修としてマッチするかどうか、少し不安を感じていました。
しかし、体験会を終えてみると、全員が参加せざるを得ないゲームとなっており、時間内でどう行動するのかを自分で考えなければならない状況に置かれていたことに気がつきました。振り返りの際に、周囲を含めて「俯瞰する」という視点を持つことができたと感じたので、ぜひ研修に取り入れたいと思いました。
ゲームなのに通常業務の状況に近い状況が作り出されていた
Q:「バリューチェーン バードビュー」を実施した感想を教えて下さい
受講者は最初、少し戸惑っている様子がありましたが、すぐに入り込めていました。最初の身構えていた気持ちは尾を引かず、良い状態で研修に移れて良かったです。
自分のチームだけでなく、他のチームも巻き込んだ方が良いと早めに気が付いた人もいたのですが、そのような人であっても、なかなか巻き込むことができず、自分のチームだけで頑張ろうとしている姿がありました。
振り返りの際に、「もっと早く巻き込めば良かった」と強く後悔しているような発言もあり、受講者の感情にインパクトを与えられたのだと感じました。
感情にインパクトのある研修というのは、研修後の自分の行動変容につながっていくと思うので、良い研修になりました。
Q:ゲーム中に仕掛けが発動したときはどうでしたか?
ゲーム中にあることが発生(仕掛けが発動)した場面では、状況が変わったことで他チームと情報交換をすることになりましたが、各チームがどう頑張っているのかをあまり開示せず、その場をうまくやり過ごして自分たちだけで成果を上げようとしている印象を受けました。
状況が刻々と変わるというのは現実でもよくあることだと思います。その場に応じて考え方を変えるという状況がうまくゲームに取り入れられていて、現実に近い状況が作り出されていると思いました。業務の中でも、実際に自分の置かれている状況が変わり、指示されている内容も変わったときにどう動くのかを考える良い機会になったと思います。
後半の協力せざるを得ない場面になってからは、自分のチームにこだわるという部分がなくなり、スムーズに自分のできることをやっていました。
Q:具体的に研修中のどのような場面が印象に残っていますか?
最初に、バンダナを各チームに配布して、色ごとにチーム名を考えさせる時間がありましたが、このような方法もチームの結束力を高めるのだと感じました。
ただ、チームを色分けしたことによって、チーム同士でコラボしにくい状況にもなったと思いました。しかし、実際の仕事のなかで、各チームが敵対関係ではなくとも、チーム内での結束力が高まってくると、ライバルのように感じるという場面も出てくるので、現実に近しい仕掛けがなされていると感じました。
チームによっては、「自分のチーム内だけで頑張りたい」「他はライバル」という考え方を持つ受講者がいました。同じチームの仲間から他のチームとのコラボを提案されたときに、「それだと自分が損してしまう」と思っていたようでした。私自身、その様子を見て「視点を変えれば、自分にも同じような面があるのかもしれない」と感じました。
この場面に限らず、他の人の提案を一旦受け止めて、それがうまくいく可能性やメリットを考えることができれば、もっと良くなると思いましたし、これは通常業務においても同じだと感じました。
Q:研修後、受講者にどのような変化が見られますか?
受講者からは「情報を共有し合ったことで、さらに知識が増えた」「自分自身でどうにかするという考え方ではなく、誰かの力も借り、余裕を持って作業をするという考え方に変わりました」という声もあり、行動に変化が出る前であったとしても、考え方や気持ちの変化があったので、今後の行動に繋がっていくと期待でき効果を感じることができています。
受講者の感想
ゲーム感覚で楽しく取り組みながらも、自身の普段の業務に照らし合わせながら考えることが出来るワークでした。
グループワークの内容が、実際の仕事に活かせるような内容だったため、実務に活かせると感じました。
1つのグループができていれば良いと言うことではなく、各々決められた時間で出来る事や量には違いがあり、その中でどう連携をとっていくかが全体としての利益を考えた時に大切だという事を学びました。
普段の業務が、他部署とどのような関わり方をしているのかを考えるきっかけになりました。
ワークハピネスの研修は、受け身の受講者を前のめりにしてくれる
Q:ワークハピネスの研修のどのようなところをご評価いただいていますか?
今回の研修のような、受講者側にとって受講が強制されるという研修は、「仕事が忙しいのに」や「もっと違う研修を受けたい」というネガティブな感情で参加する方もいるのは、仕方ないことだと思っています。
しかし、ワークハピネスさんの研修は体験型のプログラムもあり、受け身の気持ちで参加した社員であっても、いつの間にか夢中になって参加しており、その後の行動を変えるきっかけになります。気づきも確実に持って帰ってくれていると感じているので、しっかりと貢献していただいていると思います。
Q:今後、ワークハピネスにどんなことを期待しますか?
他の研修会社様にお願いした際は、短時間のゲームを取り入れるなどはありますが、1日を通してゲームがメインの研修はワークハピネスさんならではだと思います。ゲームを前面に打ち出して、そのゲームから気づきを得る・学びを得るというのは、他にはないユニークなところだと認識しています。
今後ともよろしくお願いいたします。
今回の研修で実施したビジネスシミュレーションゲーム研修「バリューチェーンバードビュー」について
「バリューチェーン バードビュー」は、企業活動は価値連鎖の連続であることを学習します。「鳥の視点」を持ち、最終顧客への提供価値を最大化するという組織全体の目的から考えて、自分の仕事を捉え直し仕事の意義を再確認することで、仕事への前向きな姿勢を獲得し、若手社員から自律的に動く中堅社員へとトランジションを図る研修です。
プログラムの詳細は下のバナー画像からご覧いただけます。