キックオフミーティングとは? 目的や効果的な進め方を解説
チームビルディング

キックオフミーティングとは? 目的や効果的な進め方を解説

新規プロジェクトを立ち上げる際、最初に行うキックオフミーティングには、メンバー同士の信頼関係構築や目標共有に役立ち、業務がスムーズに進むメリットがあります。自社での実施を検討しているものの、具体的にどういったミーティングをすれば良いのか分からないとお悩みの方もいるでしょう。

本記事では、キックオフミーティングの効果や実施方法、当日の流れなどを解説します。キックオフミーティングを通じて、メンバー同士の結束力を高めたい、チームでビジョンを共有したいとお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

キックオフミーティングとは

キックオフミーティングとは、プロジェクトを立ち上げる際、最初に行われる会議を意味する用語です。キックオフとは元々は、サッカーやラグビーなどの試合開始を指す言葉でした。開始前にチームの参加者や関係者が集まり、プロジェクトの目的や概要など主な内容に関する認識を合わせるとともに、全体の方向性や重要な指標・目標を確認して意識を共有するための機会です。

キックオフミーティングを行う目的

キックオフミーティングを実施する目的は、主に以下の通りです。

  • メンバーの顔合わせを行う
  • プロジェクトの詳細を共有する
  • チームの認識を統一する
  • メンバーのモチベーションを向上させる

キックオフミーティングが必要な目的をそれぞれ解説します。

メンバーの顔合わせを行う

1つ目の目的は、メンバー同士の顔合わせです。プロジェクトでは社外の人や同じ社内でも初めて顔を合わせるメンバーと仕事をしていかなくてはなりません。

知らない相手への不安を解消し、仕事をスムーズに進めるため、キックオフミーティングはメンバーとの距離を縮めるアイスブレイクとして役立ちます。個々の担当領域や能力を知っておくと、各メンバーの信頼関係の構築やモチベーションの向上につながるでしょう。

プロジェクトの詳細を共有する

2つ目の目的は、メンバー間によるプロジェクト詳細の共有です。円滑にプロジェクトを進めるためには、最初に目的や内容、参加者、スケジュールなどを全員がしっかり把握しておくのが重要です。

またメンバーによっては、事業の内容に疑問や不明点を持っている場合もあります。始まる前に全員で分からない部分をクリアにしておけば、プロジェクトをスムーズに進められるでしょう。

チームの認識を統一する

3つ目の目的は、チーム内でのプロジェクトに対する認識の統一です。ミーティングの後に全ての参加者が同じ理解を持ってプロジェクトに進められるよう、念入りに認識を合わせておく必要があります。

最初の段階で方向性にズレが生じていると、プロジェクトが成功する可能性は低くなってしまうでしょう。ミーティングを利用して、スタート時点からメンバー全員が同じ方向に向かって進んでいけるようにするのが重要です。

メンバーのモチベーションを向上させる

4つ目の目的は、プロジェクトメンバーのモチベーション向上です。プロジェクトの成功にはメンバー一人ひとりの前向きな姿勢が欠かせません。モチベーションを向上させるには、「自分がプロジェクトの一員である」との自覚が必要です。

全員が意欲的なスタートを切れるよう、キックオフミーティングを利用して、プロジェクトへの参加意識を高め、一丸となって取り組めるようにしましょう。

キックオフミーティングの手法

キックオフミーティングにはさまざまなやり方があるため、自社やプロジェクトに最適な手法を選択しましょう。主な開催方法は、以下の通りです。

  • 対面
  • オンライン会議ツール
  • チャットツール

それぞれの手法を詳しく解説します。

対面

社内の会議室やレンタルスペース、コワーキングスペースなどに集まり、全員が実際に顔を合わせて実施する方法です。開催方法として一般的で、多くの場合に採用されています。

直接顔を合わせられるため、参加者同士で一体感を生み出しやすいのが大きなメリットです。初対面のメンバーがいる場合など、最近では、社外の会場を借りてレクリエーションのようなイベントを開催して交流を深めてから会議を行うケースも増えています。

メンバーの人数や属性に合わせて柔軟に内容を変えられる反面、テレワークや在宅勤務の人がいると招集が難しくなるのはデメリットです。メンバーによっては、後述するオンライン会議ツールを使用したハイブリッド型で実施してみても良いでしょう。

オンライン会議ツール

ZoomやGoogle Meetなど、オンライン会議ツールを利用する方法です。インターネットを通じて参加できるため、テレワークや遠方のメンバーとも顔を合わせやすく、会場までの交通費もかかりません。

ただし、多人数のオンライン会議は主催者以外が発言しにくい場合もあるため、メンバー同士の距離を縮められるよう工夫が必要です。また、ツールによっては一度に接続できる人数が制限される場合もあり、人数の少ない場合に向いている方法ともいえます。

チャットツール

チャットツールを利用して、テキストのみでミーティングを実施する方法です。遠方のメンバーでも参加可能で、自由な書き込みができるため、大人数のプロジェクトにも対応しやすいメリットがあります。

一方で、メンバー同士が実際に顔を合わせられないため、一体感は生まれにくくなるでしょう。

キックオフミーティング開催に必要なもの

キックオフミーティングを開催する際に必要な資料や書類は、以下の通りです。

  • アジェンダ:開催目的やプログラムをまとめた資料。アジェンダがあると参加者にも流れが一目で分かり、ミーティングがスムーズに進められる
  • プロジェクト資料:目的や目標、方向性、求められる成果物イメージなどの概要をメンバーが理解できるようにした資料
  • 体制図:メンバーのプロジェクトでの役割を記して命令系統を明確化した資料
  • 全体スケジュール表:プロジェクトの開始日や完了日、タスクなどをまとめた資料

主催者はミーティング開催までに必要な資料を作成しておきましょう。

キックオフミーティングの当日の基本的な流れ

キックオフミーティング当日の基本的な流れは、以下の通りです。

  • 自己紹介・アイスブレイク
  • プロジェクトの概要説明
  • 質疑応答
  • ネクストステップの明示

各ステップの内容を詳しくみていきましょう。

自己紹介・アイスブレイク

最初に自己紹介・アイスブレイクを行うとコミュニケーションを円滑にする効果があります。メンバーからの挨拶と自己紹介を行うと、どのような人がプロジェクトに参加しているかが分かり、打ち解けやすくなるでしょう。緊張感を緩和し、会話がスムーズになるよう、アイスブレイクとして簡単な質問やゲームなどを取り入れるのも効果的です。

ただし、あまり時間をかけ過ぎるとミーティングにも影響するため、参加者が多い場合は、責任者やリーダーに限定して自己紹介をするなど配慮しましょう。

プロジェクトの概要説明

続いて、メンバーが参加するプロジェクトの以下のような概要説明を行います。

  • プロジェクトの目的
  • 全体のスケジュールの計画
  • 重要なマイルストーン
  • 主な成果物
  • メンバーの役割分担と責任者
  • 情報や進捗などの共有方法

メンバー全員がプロジェクトの目標や自分とメンバーの役割を正しく認識できれば、安心して仕事に取り組めます。メンバー全員が同じ方向を向いてプロジェクトを進められるようになるでしょう。

質疑応答

プロジェクトの概要説明が終わった後は、質疑応答の時間を取りましょう。仕事を進める上で、疑問点や不明点は、早めに解決する必要があります。

質問が残ったままだと今後の業務に支障が出る場合もあるため、質疑応答には十分な時間をとり、なるべく全員の質問に答えられるようにしましょう。質疑応答でメンバーが気兼ねなく発言できる状態にしておくと、プロジェクトもスムーズに進められるようになります。

ネクストステップの明示

ミーティングの最後には、ネクストステップの明示を行いましょう。すぐに取り組むべきタスクや短期的な目標など、プロジェクト成功に向けた「次のステップとして何をすべきか」に触れてミーティングを終了します。

チームが直近で取り組むべき作業を軽く説明するのも良いでしょう。各メンバーが取り組むべき内容が明確になるため、それぞれが行動に移りやすく、スムーズにプロジェクトをスタートさせられます。

キックオフミーティングをより効果的にする方法

キックオフミーティングをより効果的にする方法には、さまざまな施策が考えられますが、中でもおすすめなのは、チームメンバーのパフォーマンス向上を目指すチームビルディング施策です。最後は、キックオフミーティングの効果を高めるチームビルディングを解説します。

チームビルディングを実施する

チームビルディングとは、各メンバーのパフォーマンスが十分に発揮され、チーム全体で目標を達成できる組織を構築するための施策です。チームビルディングを行い、チームとしてのパフォーマンスを高めつつ、一人ひとりの能力向上も目指せば、メンバー同士に信頼関係が生まれ、仕事への意欲が高まります。

またビジネスや技術の高度化が進んだ現在、一人でできる仕事には限界があります。プロジェクトを成功に導くには、チームとしてのパフォーマンス発揮が欠かせません。個人では達成できない目標でも、複数の優秀な人材が力を合わせれば達成できることもあるでしょう。

チームビルディングを実施する際は、研修やワークショップを取り入れるのもおすすめです。

ワークハピネスの「The Big Picture」は、チームで協力しながら一枚の大きなアートを完成させるチームビルディングアクティビティです。全体像の見えないプロジェクトをチームで協力しながら分担作業により完成へと導く体験は大きな達成感や喜びを与え、チームコミュニケーションの活性化やチームパフォーマンス向上へつながります。

チームビルディング施策をお考えの場合は、ぜひ実施を検討してみてください。

まとめ

プロジェクト開始時に実施されるキックオフミーティングには、メンバー同士の交流やプロジェクトの詳細共有を通じて、チームの意識統一やモチベーション向上などの効果があります。

新規プロジェクトの立ち上げ時には、スムーズに業務を進められるよう、ぜひキックオフミーティングを開催してみてください。また、キックオフミーティングはチームビルディングと併用すると、さらに効果が高まります。

ワークハピネスの「The Big Picture」はチームでの活動により、一体感や達成感を通じてコミュニケーションやパフォーマンスを向上させるチームビルディング研修です。キックオフミーティングを計画中の方は、ぜひ「The Big Picture」も一緒にご活用ください。

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この記事を書いた人この記事を書いた人

滝澤 正教

人材アウトソーシングのベンチャー企業㈱エスプール(ワークハピネスの親会社)の創立3年目に新卒にて入社。新規現場、プロジェクトの立ち上げから不採算支店を売上日本一の支店に再生するなど、同社の株式上場に貢献してきた。

多数のプロジェクトを通じ、多くのスタッフと携わる中で「人間の無限の可能性」を知り、「人の強みを活かすマネジメント」を広めるべく、2006年よりワークハピネスに参画。

中小企業を中心とした人材開発、組織風土変革コンサルティングPJを推進している。

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