チーム力とは?チームワークとの違いや高める方法を徹底解説
チーム力とは一人ひとりの得意分野やスキルを活かし、課題を達成させられる力のことです。ビジネスではチーム力を高めることが重要とされています。本記事ではチーム力とは何なのか、なぜ重要なのかを解説します。チーム力を高めるメリットや高める方法も紹介するので役立ててください。
そもそもチーム力とは
「チーム力」とは、チームの集合体や総合力、組織力などを意味する言葉です。チーム力が高いチームは何かの活動をしたときに高い成果を残しやすくなります。一方チーム力が低いと、パフォーマンスが落ちてしまったり思うような結果を得られなかったりします。
チーム力と混同しがちな言葉に「チームワーク」がありますが、この2つは意味合いが少し異なる言葉です。
チームワークとの違いを解説
チームワークとはチームで特定の課題や目標を達成するために一緒に仕事することや、組織の連帯性を表す言葉です。チームワークがある組織は、個々の役割を果たしつつお互いの苦手な部分などを補いながら作業を進められます。同じ課題や目標に向かって周囲のことも考慮しながら取りかかれるため、スムーズに目標を達成しやすくなります。
チームワークはチーム力の要素のひとつであり、チーム力を高めるためにはチームワークも欠かせません。
チーム力が重視される理由とは
チーム力が重視される理由は主に以下のようなことが挙げられます。
- ビジネスモデルが複雑になったから
- 生産性の高さやスピーディな判断が求められるようになったから
グローバル化が進みビジネスモデルが複雑になった近年、企業価値をアップさせるためには新たな課題に挑戦したり、さまざまな価値観を受け入れたりすることが必要です。例えば何か新しいことに挑戦する際、責任者が一人でアイデアを出すと責任者個人の価値観が反映されていたり、斬新な発想ができなかったりします。
しかし個々の強みを尊重し合えるチーム力の高いチームで取りかかれば、幅広いアイデアや価値観を反映しながら課題に取り組めます。
またチーム力の高いチームは、環境の変化にも臨機応変に対応できることも強みです。グローバル化に伴いビジネス環境も変化し、生産性の高さやスピーディな判断を求められるシーンも少なくありません。
チーム力が高ければお互いにサポートをしながら課題の解決を目指せるため、生産性の高さやスピーディな判断を求められた場合も、スムーズに対応できます。
このような観点から個々の能力だけではなく、チーム力も重視されるようになりました。
チーム力が高いことで得られるメリット
チーム力が高いと対応できる業務内容やパフォーマンスなど、さまざまな点でメリットがあります。
社員一人では達成が難しい仕事に取り組める
社員にはそれぞれ得意・不得意があり、苦手分野の仕事に取り組まなければならなくなった場合、行き詰まってしまう可能性があります。困難に直面したときも、時間が足りない、アイデアが出ないなどで達成できないケースもあるでしょう。
しかしチーム力が高いチームで取り組めばメンバー同士でサポートし合えるため、一人では難しい仕事も取り組めるようになります。
組織のパフォーマンスがアップする
チーム力の高いチームで業務に取り組んでいると、お互いに協力やサポートをしているうちに信頼感や一体感が生まれます。すると連携プレーも行えるようになり、難易度の高い仕事もスムーズに対応できるようになります。
また苦手な分野を教え合ううちに、社員一人ひとりのスキルも自然と向上し、結果的に組織全体のパフォーマンスがアップする点もメリットです。
ロイヤリティ・モチベーションが向上する
チーム力が高く信頼感や一体感が生まれたチームは、メンバーの一員として仕事をして認められることで、仕事に対するモチベーションが向上することもメリットです。メンバー同士の結びつきも強くなるため、日々励まし合いながら仕事に取りかかれるようになります。その結果、組織に対するロイヤリティも向上し、離職しづらくなるメリットもあります。
チーム力を高める方法を解説
現在活動しているチームの力を強化したい場合はもちろん、これからチームを新しくつくる場合は、5つのポイントを意識して取り組みましょう。
まずは共通の目標・価値観を確認する
チーム力を高めるために最初にやるべきことは、メンバー同士で共通の目標や価値観を確認し、共有することです。「最終的な目標を何にするか」「その目標はどのような手順を踏めば達成できるのか」などを確認し、メンバーで方向性を揃えます。
もちろん個人ごとに目標を設定することも大切です。しかし目標や価値観を共有していないと、異なる目標を持っている人同士が衝突したり、みんなで同じ目標を達成するという一体感を得られなかったりします。
チーム全体の目標を設定するだけでなく、個人の役割も設定しておくとメンバーそれぞれの責任感もアップし、より目標を達成しやすくなります。
チーム全体で状況に応じた対応ができるようになるために「目標達成のための計画を立てる」「成功した場合と失敗した場合のモデルケースを考えておく」などもポイントです。
メンバーの反発を招かないよう、自発性を尊重する
リーダーや上層部の価値観を主張してチームをまとめるやり方をしてきた場合は、注意が必要です。よかれと思って提案していることでも、価値観を一方的に押し付けるだけではメンバーの反発を招く恐れがあるからです。
価値観はさまざまなので、同じチームのメンバーでも仕事に対する考え方やスタイル、思考、習慣などもそれぞれ異なります。「このやり方は違う気がする」「こっちのやり方のほうがスムーズにできるのに」などの反発があると、チームのモチベーションも下がってしまいます。
また言われるがまま行動するメンバーばかりになれば自主性がなくなり、チーム内でコミュニケーションを取らなくなったり、自分からチームのサポートをしようとしなくなったりしかねません。
チーム内で自然とサポート関係が構築されるようになるまで、メンバーの自主性を尊重するのもひとつの方法です。
メンバー一人ひとりが異なるスキルを身に付ける
チーム力を高めるためには、チーム全体で幅広いスキルを身に付けることが理想です。なぜなら同じスキルを持つメンバーが複数人いた場合、同じチームであるにもかかわらず、相手をライバル視してしまう恐れがあるからです。チーム内の人間関係が複雑になれば、チームの輪が乱れてバラバラになってしまいます。
先述したとおり、サポートをし合えるチームには一人ではできないような仕事ができたり、パフォーマンスが向上したりというメリットがあります。そのためにはメンバーそれぞれの得意分野を活かしつつ、苦手分野のサポートをし合える関係性のチームが理想です。
一人ひとりが異なるスキルを身に付ければ、メンバーをライバル視する恐れがなく、幅広い課題に対応できるようになります。これからチームをつくる場合は、異なるスキルを持った人材を集めるよう意識するとよいでしょう。
意見を言いやすい環境を整える
チームはさまざまな役職や年齢のメンバーが集まってできます。職場の環境やこれまでの状況によっては、役職や年齢を気にして意見を主張しづらいこともあるでしょう。
しかし会議で意見を言えない空気が流れていたり、上のメンバーの意見ばかりが通ったりしていると、そのメンバーは疎外感から孤立してしまう可能性があります。孤立したメンバーが一人でもいると、チーム力もなかなか高まりません。
メンバーの一員として責任を果たすためには、帰属意識を持ってもらうことも大切です。チームの一員として自由に意見を出せるよう、メンバー全員に上下関係にかかわらず意見を出すことの大切さを理解してもらいましょう。
また特定のメンバーに発言力が偏らないよう工夫し、だれでも意見を言いやすい空気をつくるよう心がけることもポイントです。
メンバー同士で連絡を取り合って連携する
チーム力を向上させるためには、メンバー同士のコミュニケーションや密な連携も必要です。幅広いスキルを持ったメンバーが集まるチームでは、自分の役割がしっかり決まっている反面、他のメンバーの進捗状況が分かりづらくなるからです。
他の人の状況に応じて進める仕事もあるため、スムーズに仕事を進めるには、メンバー内でだれがその程度進んでいるのかの情報共有が必要になります。緊密に連絡を取り合ううちに、自然とコミュニケーションの回数も増えて、信頼関係も構築されていくはずです。
同期やもともと仲のよい人同士はもちろん、先輩と後輩、上司と部下など普段はあまり接する機会のないメンバー同士などで連絡を取り合うようになれば、チーム全体の絆も深まるでしょう。
普段から自然にコミュニケーションを取れる関係になっておくことは、意見を出しやすい環境つくりにもつながります。
チーム力を高めるためのゲーム
チーム力を高めるためには先述した方法も有効ですが、それ以外にゲームを利用する方法もあります。チーム内で特定の目的を達成するゲームは自然とコミュニケーションが取れるだけでなく、自分を客観視できます。
チーム力を高めるために普段意識するべきことを実行しつつ、チームビルディングなどでゲームを取り入れてみる方法もおすすめです。こちらの記事ではゲームがチーム力を高める理由やメリット、事例などを解説しているので参考にしてみてください。
チーム力を高めるためにはリーダーの動きが大切
チーム力を高めるためには、メンバーをまとめるリーダーの動きも大切です。リーダーはまず、チーム全体や個人の稼働状況を把握します。情報共有に関するやり取りはリーダーから定期的に行うように意識して、稼働状況を常に把握しておけるようにしましょう。
稼働状況を把握する際は、偏った見方にならないよう客観的な視点を持つこともポイントです。状況に応じてサポートが必要であればその都度対応したり、リソースを再分配したりします。心身の不調がありそうなメンバーがいる場合は、しっかり相談に乗りましょう。
またメンバーのモチベーションを維持するためにも、メンバーへのフィードバックや賞賛が欠かせません。特に成果を出した際は他のメンバーの前で賞賛すると、賞賛されたメンバーはやりがいや達成感を得やすくなります。
まとめ
チーム力が高まると仕事のパフォーマンスやモチベーションがアップするなどのメリットがあります。チーム力を高めるために、今回解説した方法を意識したり、ゲームに取り組んでみたりしましょう。またリーダーの動きも大切なポイントです。リーダーとしてチーム全体を客観的に見て、状況に応じたサポートを心がけましょう。
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大学卒業後、外資系医療機器メーカーで営業に従事。
6年間で8人の上司のマネジメントを経験し、「マネジャー次第で組織は変わる」と確信し、キャリアチェンジを決意する。
2009年にワークハピネスに参画し、チェンジ・エージェントとなる。
医療メーカーや住宅メーカーをはじめ、主に大企業の案件を得意とする。また、新人から管理職まで幅広い研修に対応。
営業、営業企画、新人コンサルタント教育を担当後、マーケティング責任者となる。
一度ワークハピネスを退職したが、2021年から復帰し、当社初の出戻り社員となる。現在は、執行役員 マーケティング本部長。