チームワーク向上につながるチームコミュニケーションとは?高めるための施策を解説
チームコミュニケーションは、チームワークを向上させるために欠かせない要素です。とはいえどのようなコミュニケーションを行うのが効果的なのか悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、チームコミュニケーションの概要が活発にするためのポイントを解説します。チームコミュニケーションをアップさせる施策も紹介するので、役立ててください。
チームコミュニケーションとは
チームコミュニケーションとは、企業内の部署またはプロジェクトごとのチーム内で行うコミュニケーションのことです。
あくまでもビジネスにおいてのコミュニケーションを指すため、基本的にはプライベートなどでただ単に会話を楽しむコミュニケーションとは少し異なります。ビジネスでのチームコミュニケーションは、チーム内で業務に関する問題点や進捗状況などを共有するためのコミュニケーションです。
チーム内のコミュニケーションが不足するとチーム内の連携がうまくとれなくなり、トラブルや離職につながるなど、チームワークに影響を及ぼすケースもあります。チームコミュニケーションは業務やプロジェクトの成功に欠かせない、チームワークをアップさせるために必要不可欠な要素です。
チームコミュニケーションを行うことで得られる効果とは
チームコミュニケーションを行うと、チーム内のメンバーが仕事をしやすくなるだけでなく、企業にとってもメリットがあります。
活発に情報共有が行われる
チームコミュニケーションを行うと、活発に情報共有が行われるようになります。例えば仕事に関する考え方や性格、得意不得意なことは、コミュニケーションをとってみなければ分かりません。チームコミュニケーションを行いメンバーそれぞれの考え方や個性を把握しておけば、共同作業がしやすくなる上に不得意な分野をサポートし合えるため、業務の効率がアップします。
またコミュニケーションを通して信頼関係が構築されると、自分の考えていることを相手に伝えやすくなります。その結果、意見交換を行うなかで新たなアイデアが生まれる可能性がある点もメリットの一つです。さらにお互いのことを理解し信頼関係が築けていれば、意見が食い違うことがあっても解決策を検討しようという前向きな気持ちを持ちやすくなります。
トラブルの未然防止
チームコミュニケーションがうまく行われていないと「問題が発生したときの対処法が分からず報告が遅れた」「正確なスケジュールを把握していなかったために期日が過ぎていた」などのトラブルが発生する恐れがあります。すぐに対処しておけば解決できるはずの問題も、放置をすればやがて大きな問題に発展してしまう可能性があるため注意が必要です。
しっかりチームコミュニケーションが行われて情報共有ができていれば、トラブルに発展しそうな小さな出来事にも気が付きやすくなり、トラブルを未然に防ぐことができます。
また情報共有がしっかり行われていれば、「知らないうちに複数人が同じ業務に取り組んでいた」、逆に「だれも取り組んでいる人がいなかった」などのトラブルも心配もいりません。
離職率の低減
チームコミュニケーションを行いメンバー内の信頼関係が構築されていると、帰属意識が高まります。するとチームや企業への愛着も高まるため、離職率を抑えることができます。
離職する理由は帰属意識の低さだけではありません。チームワークが成立していない組織で仕事をすることにストレスを感じ、人間関係の悩みが原因で離職する人もいます。メンバーのことをよく知らないと「言いたいことが言えない」「聞きたいことがあっても聞きづらい」「自分は何をするべきか把握できない」などの問題が生まれやすいからです。
チームワークが成立していて自分の意見を言いやすかったり、気になることはすぐに解決できたりして仕事に関するストレスが感じづらくなることも、離職率の低下につながります。
チームコミュニケーションを活発にするためのポイント
コミュニケーションを活発にするポイントは、「コミュニケーションの時間や頻度」「業務に関する情報の状態」「コミュニケーションの課題の洗い出し」の3つです。順番に内容を確認していきましょう。
コミュニケーションの時間・頻度を増やす
チームコミュニケーションを活発にするには、まずコミュニケーションの時間や頻度を増やすことが必要不可欠です。なぜなら人はコミュニケーションを行うことで信頼関係を構築していけるからです。
このことは「ザイオンス効果」といって、アメリカの心理学者が発表した論文にも「接触回数が多くなるほど相手に好意を抱きやすい」という実験結果が掲載されています。ザイオンス効果は、相手と良好な関係を築くために営業活動などで取り入れられることもあります。
チームコミュニケーションはチーム内で業務に関する情報を共有することと先述しましたが、チームコミュニケーションを活発にするためコミュニケーションをとる際は、雑談や相談も取り入れると効果的です。
ただしメンバーの立場によっては自ら雑談や相談を始めづらいので、チームをまとめる立場の人物が働きかける必要があります。
業務に関する情報を可視化する
チームコミュニケーションを活発にするには、業務に関する情報を可視化することもポイントです。
例えばそれぞれが取り組んでいる業務や、一人ひとりの進捗状況を可視化させます。可視化することにより複数人が同じ業務に取り組むなどのミスを防げたり、遅れているメンバーが分かれば余裕のある人がサポートできるようになります。
反対に、遅れている本人が自分は周りよりも遅れていると分かれば、迷惑をかけないように工夫するため、業務を効率化する新たなアイデアが生まれる可能性もあるでしょう。業務を可視化してメンバー同士の助け合いができるようになれば、さらにチームワークを深めることも可能です。
コミュニケーションの課題を洗い出し、施策を実行する
チームコミュニケーションが思うように行えない状況になった場合、コミュニケーションの方法に原因があるのか、人間関係が原因なのかなど、課題はさまざまです。さらにその課題によって適切な解決方法も異なります。
そのため他の企業の成功例を真似て施策に取り組んだからといって、そのチームの課題も解決できるとは限りません。チームコミュニケーションを活発にするためには現状を見直し、チーム内の課題を洗い出しましょう。
課題が把握できたところで、そのチームに適した新たなコミュニケーションの方法を取り入れてみたり、信頼関係を構築できるような施策を講じたりすることが大切です。
チームワーク向上!コミュニケーションの課題を解決するための施策とは
チームコミュニケーションを活発にして、チームワークを向上させるための施策はいくつか挙げられます。どのような施策があるのでしょうか。
チームビルディングアクティビティを実施する
チームのコミュニケーション課題を解決するには、コミュニケーションの量を増やすことが効果的です。
チーム対抗型のゲームや謎解きゲームに夢中になることで普段の業務中とは比較にならないような量のコミュニケーションが交わされます。チームメンバーの意外な一面が見れることもあり、親近感が湧くこともメリットの一つです。
関連記事:チームビルディングにおすすめのアクティビティを10個ご紹介!
コミュニケーションツールを導入する
コミュニケーションツールとは、チャットやメッセージのやり取り、ビデオ会議、ファイルの共有、プロジェクトの管理などができるツールのことです。ツールを利用すればリモートワークなどでメンバーが同じ場所にいなくても会議ができたり、情報を共有したりできます。
またチームコミュニケーションを活発に行おうとすると、メンバー間でのこまめな連絡など手間がかかりがちです。コミュニケーションツールを使えば、資料をメンバー全員に転送する、業務を進めるたびに一人ひとり進捗状況を報告するなどの手間もなくなり、業務の効率もアップします。
サンクスメッセージ
サンクスメッセージとは、日頃一緒に業務に取り組んでいるメンバーに対して感謝や賞賛を贈る制度のことです。業務に取り組むなかで、感謝や賞賛の気持ちを改めて伝える機会を設けることはなかなかありません。しかし人は感謝や賞賛の気持ちを伝えられると承認欲求が満たされるため、モチベーションや信頼感が増すなどのメリットが得られます。
モチベーションがアップすれば業務の質も上がりますし、信頼感が増せばチームワークも向上します。伝えたい出来事があった場合は、対面で気持ちを伝えるのもよいですし、メールやチャット、メッセージカードで伝えるのもよいでしょう。
1on1ミーティング
1on1ミーティングとはメンバー同士が対面やビデオ会議などで行うミーティングのことで、上司と部下で行うのが一般的です。1on1ミーティングを行うと、メンバー全員が参加するミーティングでは分からなかった心身の健康状態などの問題に気が付く可能性もあります。
1対1でじっくり会話ができるため、メンバーとの信頼関係も構築しやすくなります。日常的な会話で終わってしまわないよう、お互いの話をよく聞き、フィードバックや質問を取り入れるよう意識しましょう。
必要性が分からない、何を話せばよいのか分からないなどの問題を防ぐためにも、テーマや目的を明確にしてから行うと効果的です。
関連記事:1on1ミーティングとは?目的や方法についてご紹介
メンター制度
先輩社員が後輩社員の悩みを聞き、サポートする制度がメンター制度です。メンターとなる先輩社員が後輩社員の仕事に関する悩みを聞き早めに不安を解消することで、離職を防いだり、モチベーションを維持したり、コミュニケーションの機会を増やしたりできます。
メンター制度は直属の上司ではなく、他の部署やチームの先輩社員が悩みを聞くのが一般的です。そのため部署やチームを超えたコミュニケーションも活発になります。また悩みを聞く先輩社員側も成長できるため、新たなリーダーの育成にもつながります。
メンター制度を導入するメリットを詳しく知りたい方はこちらからご覧ください。
関連記事:メンターとは?メリットや制度の導入を成功させるポイントを解説
研修
研修によってチームワークを向上させる方法もあります。コミュニケーションに関する心構えから基本的な方法、コミュニケーションスキルの習得など、カリキュラムを組み実施しましょう。コミュニケーションの基礎から実践まで、しっかり研修することで、チームコミュニケーションの心構えができるようになります。
本格的な研修だけでなく、社内勉強会やスポーツ大会などの社内イベントを開催するのもよいでしょう。強制参加にしてしまうのは逆効果なので、希望者のみ参加する形にする、アンケートなどで改善点を見つけて回を追うごとに改善していくなど、工夫をしてくことがポイントです。
まとめ
チームコミュニケーションはチームワークを向上させ、トラブルや離職を防ぐために欠かせません。またメンバー内で情報共有ができるようになるため、効率的に業務に取り組めたり、メンバー同士でサポートをし合えたり、モチベーションをアップさせたりできるようになります。
コミュニケーションの時間・頻度を増やす、業務を可視化するなどを意識して、今回紹介した課題を解決する施策にも取り組んでみましょう。
ワークハピネスでは人材育成や社員研修、チームビルディングなど、企業のさまざまな課題に対応しています。また人事・人材育成部のご担当者向けのセミナーも開催しています。チームワークの向上に関する課題を抱えている場合は、ワークハピネスにご相談ください。
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大学卒業後、外資系医療機器メーカーで営業に従事。
6年間で8人の上司のマネジメントを経験し、「マネジャー次第で組織は変わる」と確信し、キャリアチェンジを決意する。
2009年にワークハピネスに参画し、チェンジ・エージェントとなる。
医療メーカーや住宅メーカーをはじめ、主に大企業の案件を得意とする。また、新人から管理職まで幅広い研修に対応。
営業、営業企画、新人コンサルタント教育を担当後、マーケティング責任者となる。
一度ワークハピネスを退職したが、2021年から復帰し、当社初の出戻り社員となる。現在は、執行役員 マーケティング本部長。